胆石に関連する病気

胆嚢がん

胆嚢がんを患っている人の60%近くに胆石の既往があるというデーターがあります。一方胆石から胆嚢がんへと移行するのは胆石手術をした患者さんの1~2%程度です。したがって現時点での胆石と胆嚢がんとの因果関係は証明されていません。

しかし、胆石同様胆嚢がんは男性よりも女性に多い病気です。また70代に最も発症例が多いことから加齢が危険因子の一つである点でも胆石と類似しています。今のところ胆嚢がんの原因は膵液にあると見られています。胆汁は胆嚢から十二指腸に送り出され、そこで膵液と合流します。胆汁には膵液に含まれる消化酵素を活性化させる物質があり、膵液との共同作業で脂肪を分解吸収します。

この膵液との合流地点になんらかの障害が発生すると刺激の強い膵液が胆管を逆流してきて胆嚢に溜まり、胆嚢がんになりやすくなります。また胆嚢に慢性的な炎症を持つ場合も胆嚢がんのリスクが高まります。

一方胆嚢は胆管を通じて肝臓と十二指腸に繋がっています。膵液が逆流してくるのはこの胆管を通ってなのですが、このとき膵液の刺激で胆管にがんが出来ることがあります。こちらの胆管がんは女性よりも男性に症例が多いのが特徴的です。胆管がんの場合も発症リスクはほぼ胆嚢がんと同じですが、胆管に慢性的な炎症を引き起こす原因不明の病気に原発性硬化性胆管炎があり、この病気にかかった人の約10%の人が胆管がんになるといわれています。

総胆管にがんが出来ると黄疸が出ます。一方胆嚢がんの場合は黄疸の症状が出にくいため、黄疸が出るとかなりがんが進行している状態と判断されます。症状は胆石と非常に似ているため、識別には胆汁組織の細胞診が決め手となります。

胆嚢がんが発見された場合の治療は胆嚢摘出が第一選択肢です。ただし高齢で手術が出来ない場合や、他部位への転移がある場合など手術が適用できない場合は抗がん剤による化学療法が選択されますが、他のがんに比べて胆嚢がんは治療が困難だと言われています。